歯科治療

症例紹介・犬

高分化型線維肉腫 

3歳10か月 MIX犬18Kg 去勢雄 主訴 約3か月前に歯ぐきが赤く腫れてきたため、かかりつけの動物病院でCT検査、病理検査を実施されました。その際の病理検査結果は、歯肉過形成という診断でした。 慢性歯肉炎として、抗生剤や消炎剤内服、ステ...
症例紹介・犬

脂肪肉腫

犬 チワワ 12歳9か月 去勢雄 主訴 当院かかりつけの患者様で3週間前からご飯を食べるスピードが落ちているのが気になるということで来院されました。 所見 診察の際、口腔内を観察して舌を触診したところ舌根部に舌内腫瘤が認められました。 頚部...
歯周病

重度歯周病

猫 ミックス 15歳 主訴 強い口臭がするとのことで当院に来院されました。 初診時の肉眼的所見として、臼歯部での重度歯石付着、歯周ポケットから排膿を認めました。 口臭の原因として重度歯周病が疑われました。 感染症の治療とQOLの改善のため歯...
症例紹介・猫

猫 口内炎

4歳 ミックス猫 所見・手術 今口腔内を診察し、難治性口内炎と診断し、全顎抜歯の処置になりました。 経過 全顎抜歯3週間後の様子です 口の中の赤い腫れがだいぶ落ち着いて綺麗になっています。 これならご飯食べた時にも痛くありません。 治療後に...
犬と猫の歯みがき

歯磨きシートの使い方

歯磨きグッズのなかで比較的使いやすいのが歯磨きシート。 歯ブラシを持たなくてもいいため、犬や猫の警戒心を減らすことができます。 指先の感覚で歯を触りながら擦る事で汚れを落としていきます。 工夫された歯磨きシートには歯垢を絡め取りやすく設計さ...
症例紹介・犬

猫の若年性歯周炎

猫 ミックス 1歳 主訴 犬歯、臼歯の歯肉炎を主訴として来院されました。 所見 診察時は、下あごの犬歯を除くすべての歯で重度の歯肉の炎症が認められ、下あごの切歯は歯周病によって全て抜け落ちていました。 歯科レントゲンでは下あごの第一前臼歯、...
犬と猫の歯みがき

成犬の歯磨きの仕方(慣れさせる方法)

パート1では歯磨きの姿勢など基本的な内容を書きましたが、こちらではより実践的に歯磨きに慣れさせる方法について説明したいと思います。 歯周病予防で大切なのは歯磨きを毎日の習慣にする事! 人と同じで歯磨きは毎日やらないと磨き残した歯垢が歯石にな...
犬と猫の歯みがき

犬と猫の歯磨きはなぜ必要?

犬と猫の歯磨きはなぜ必要? 普段診察していると下のような質問をされる事があります。 ・昔は歯磨きなんてしてなかったのに必要なの?・犬猫だし口臭があって当然でしょ?・ご飯も食べれてるし痛くないよね? 飼い主さまが犬や猫と同じ状況になった事を想...
犬と猫の歯みがき

歯磨きジェルの成分による違い

歯磨きジェルの成分による違い 歯周病に効果があり、犬や猫が飲み込んでも安全性が高い成分は限られています。 なので、ジェルを選ぶ際にはどういう目的で作られたジェルなのか、成分名を見て何が入っているのかを確認する事が大切です。 特に、犬や猫では...
症例紹介・犬

猫のクリーニング

ついた歯石をそのままにしておくと、歯肉は炎症を起こし、顔が腫れてしまったり、中には歯の根っこが溶けて歯が勝手に抜けてしまう事もあります。 歯に痛みが出ると元気や食欲が低下する猫ちゃんもいます。 猫はわんちゃんに比べて口を触られるのが苦手なの...
犬と猫の歯みがき

おすすめの歯磨きジェルは?

歯磨きジェル、デンタルジェルと言われるものは数多く存在します。 その中でちゃんと効果があるものを選ぶことはとても難しいと思います。 ネットでの口コミが良いから、広告が派手で効果が高そうだから、ペットショップや動物病院でお勧めされて、など情報...
無麻酔歯石除去

無麻酔歯石除去④

無麻酔歯石除去①②③をお読みの上こちらをご覧ください。 無麻酔歯石除去とは?①  無麻酔歯石除去の実際②  無麻酔歯石除去のリスク③ 以前に無麻酔歯石除去の経験があり、その後当院で歯科処置をした症例をご紹介します。 それぞれの特徴 症例① ...
無麻酔歯石除去

無麻酔歯石除去のリスク③

①と②を先にお読みください。 無麻酔歯石除去とは?①  無麻酔歯石除去の実際② 無麻酔歯石除去に伴う事故 無麻酔歯石除去によるトラブルも多くあります。 その中でも訴訟に発展するケースは稀でほとんどが飼い主の泣き寝入りになっているのが現状です...
無麻酔歯石除去

無麻酔歯石除去とは?①

これはあくまでも動物の歯科医療の理想を追求している者の個人的な見解になります。 ご了承の上お読みください。 ご覧になっている方も僕も犬猫が大好きでより良い生活をさせてあげたいという気持ちは一緒だからこそ無麻酔歯石除去について考え悩んでいるの...
犬と猫の歯みがき

成犬の歯磨き6 レベルアップの守るべきルール

歯磨きの心構え 犬には歯磨きの仕方を教えるのではなく歯磨きをしている間は大人しくしていてもらう事を伝える工夫をしましょう。 そして、歯磨きをしている間大人しくしてくれている時には協力してくれてありがとうという気持ちで優しく接することが大切で...
犬と猫の歯みがき

成犬の歯磨き5 ~オスワリ・マテ編~

仰向けが難しい子にはこの方法が良いかもしれません。 この歯磨きのメリットは食事の時など普段から行っているコマンドを強化することでできるため比較的行いやすいことです。 しかし、頭を固定するのが難しいため体や顔をそむけてしまうなどやりにくい事が...
口腔・顔面の病気辞典

歯周病の続発症

歯周病は口の中にいる細菌が歯を支える歯周組織に炎症を起こす細菌感染症です。 この細菌感染症が重度に進行すると下記のような病気につながります。 内歯瘻(ないしろう)  深い歯周ポケット内の膿が口腔内の粘膜から排出している状態。口臭が強くなりま...
犬と猫の歯みがき

絶対に与えてはいけないオモチャとオヤツ

NGなオモチャ? 実は、ペットショップやペットグッズ売り場には歯にとって良くないものが売られていることをご存知ですか? それは「硬いオモチャやオヤツ」です。 代表的なものを下記に挙げますが、そもそも普通に考えて、愛玩犬に分類されているプード...
犬と猫の歯みがき

正しいおもちゃの選び方

人間用のものではなく犬用に作られたおもちゃを与えることが大切です。 なぜなら、小さすぎるものは、遊んでいるうちに誤って飲み込んでしまう可能性があり、のどや消化管に詰まると大変危険です。 犬の年齢、体の大きさに適切なサイズのおもちゃを選びまし...
犬と猫の歯みがき

成犬の歯磨き4 ~仰向け編~

仰向けでの歯磨きは子供の歯磨きでも推奨されていますが、犬にとってもメリットが沢山あります。 膝の間に挟んで身体が安定しやすい 頭を身体に寄せて固定しやすい のぞき込むことでほぼ全ての歯を見ながら磨くことができる 当院での指導方法 歯ブラシに...
口腔・顔面の病気辞典

虫歯

猫では論文上、虫歯の報告はなく虫歯にならないと考えられています。 犬では虫歯の症例が稀に見られます。犬において”虫歯”になりにくい理由は以下のように考えられています。 〇歯が尖った形状をしている為、歯の表面に虫歯菌が付着しにくい 〇唾液に含...
犬と猫の歯みがき

成犬の歯磨き3 なぜ歯磨きは難しいのか?

”歯磨きをしたほうがいいのはわかってるけどやり方がわからない” ”嫌がるからできなかった” でも、最近は口臭も気になるし、歯周病も心配という飼い主さまも多いのではないでしょうか。 この記事ではそんな成犬を対象にした歯磨きの仕方についてお話し...
犬と猫の歯みがき

成犬の歯磨き2 どんな姿勢がいい?

基礎編では成犬の歯磨きの難しさについてお話しました。 ここでお話する内容はあくまでも当院で実践しているやり方であって必ずしもどの犬にも飼い主さまにも最適な方法とは限りませんのでご了承ください。 ただ、しっかり取り組んでいただければきっとでき...
犬と猫の歯みがき

成犬の歯磨き1 歯ブラシの正しい使い方

持ち方や力加減は? 優しく磨けるペングリップがおすすめです。 まずは飼い主さまの爪を磨くように当たる強さや動かし方を確認しながら練習してみましょう。 力加減は100~150gが目安です。 磨く強さは歯ブラシの硬さによっても多少前後しますが、...
歯周外科治療

歯周外科治療 part4 歯周組織再生療法

歯周外科治療 part1 歯肉切除術 歯周組織再生療法 今回のテーマは引き続き、歯周外科治療についてお話をしたいと思います。 主な歯周外科治療方法の中で、今回は 1.歯肉切除2.歯肉剥離掻把術(FOP;Flap operation)3.歯肉...
歯周外科治療

歯周外科治療 Part3 フラップ手術 

歯肉剥離掻把術とは? 今回のテーマは引き続き、歯周外科治療についてお話をしたいと思います。 主な歯周外科治療方法の中で、今回は 1.歯肉切除2.歯肉剥離掻把術(FOP;Flap operation)3.歯肉弁根尖側移動術(APF;Apica...
破折

破折(断髄編)

歯が折れたことにいつ気付く? 破折に飼い主様が気付くタイミングは、 ・さっきおもちゃで遊んでいたら欠けた・おもちゃを噛んでいて嫌な音がした・口をぶつけて歯の欠片が落ちた・毎日歯磨きをしているのですぐに異常に気付いた などと、受傷後すぐに気づ...
口腔・顔面の病気辞典

口内炎(こうないえん)

口内炎とは 猫の口内炎は現在、「歯肉口内炎」や「尾側口内炎」(Feline Gingivostomatisis)と定義される猫ちゃん特有の病気であり、QOLを著しく低下させる代表的な疾患です。 この疾患は歯周病で起こる歯肉や歯槽粘膜の炎症に...
口腔・顔面の病気辞典

乳歯遺残(にゅうしいざん)

乳歯遺残とは 乳歯遺残とは生後7ヶ月を過ぎても乳歯が抜けずに残った状態をいいます。ただし、生え変わりの時期には個体差があるため、診断するためには切歯、犬歯、臼歯すべての歯の状況を見て、総合的に評価する必要があります。 乳歯遺残の中でも特にそ...
口腔・顔面の病気辞典

歯が折れてしまったら?

折れやすい歯は? 犬や猫の歯が折れることを破折といいます。 破折とは? 折れるのは主に上あごの第四前臼歯、犬歯ですが、稀に下あごの第一後臼歯が折れる事もあります。 第四前臼歯は裂肉歯と言って肉食動物である犬が仕留めた獲物の肉を飲み込める大き...
口腔・顔面の病気辞典

猫の破折(はせつ)

原因 猫と犬では折れやすい歯に違いがあります。 猫は走り回ったり高所から落下したり、交通事故で顔面をぶつけた時に歯を折ってしまう事が多く、通常は犬歯が折れます。元気で走り回っている比較的若い年齢の子に多く見られます。 特に犬歯が折れやすいの...
口腔・顔面の病気辞典

犬の破折(はせつ)

原因 犬は硬いものを奥歯で噛むことで歯が折れます。 稀に、大型犬では石を中に入れた物や間違って石を投げてそれを口でキャッチして犬歯が折れたり、金属のケージを噛んで犬歯が削れて折れる事もあります。 折れるのは主に上あごの第四前臼歯です。 症状...
歯周外科治療

歯周外科治療 (Part2 歯肉弁根尖側移動術)

歯周外科治療 part1 歯肉切除術 こちらからお読みください☝ 歯肉弁根尖側移動術ってなに? 今回のテーマは前回に引き続き、歯周外科治療についてお話をしたいと思います。 前回お話させていただいた主な歯周外科治療方法の中で、今回は 1.歯肉...
歯周外科治療

歯周外科治療 part1 歯肉切除術

歯周外科治療ってなに? 今回のテーマは歯周外科という事で少し難しい内容になります。 しかし、愛犬や愛猫の歯周病治療について考えるときにヒントになる事もあるかと思います。 まずは、下の写真をご覧ください。 OLYMPUS DIGITAL CA...
症例紹介・犬

咬耗

犬歯などほとんどの歯が短くなってしまっている症例 主訴 歯が削れているという主訴で来院されました。 所見 視診によってまず歯冠の高さが低くなっている事を確認します。 このことを咬耗(こうもう)といいます。 その後、探針(エキスプローラー)と...
症例紹介・犬

扁平上皮癌①

猫ちゃんのお口にできたものは犬に比べ悪性腫瘍が多く、ある程度大きくならないと症状に出にくい事などをよくご理解いただきたいと思います。
症例紹介・犬

棘細胞性エナメル上皮腫①

※注意!このブログ内には手術で切除した組織の写真があります。見られる方のみお読みください! MIX犬 4歳  主訴 1週間前から口の中がただれているとことで来院されました。 右上顎犬歯と臼歯の間にできものを確認。 できものは臼歯を後ろに変位...
症例紹介・犬

乳歯が抜けなかったら?

乳歯が抜けないことを乳歯遺残(にゅうしいざん)といいます。 症例①6カ月 ミニチュアシュナウザー 乳歯が抜けず残ってしまった症例をご紹介します。 上顎と下顎の犬歯が遺残しているのがわかります。 (細くて長いのが乳歯で上顎では左側、下顎では手...
症例紹介・犬

歯の色が変?

変色歯とは→変色歯 こちらを参考にしてください。 3歳 トイプードル 所見 歯周病の治療の為全身麻酔をかけて治療をし、下顎の歯に変色が認められました。 歯髄疾患が疑われたため、歯のレントゲンを撮影しました。 左から2番目に写っている歯が変色...
先天性疾患

短頭種の噛み合わせ

短頭種は受け口が普通?? シーズー、フレンチブルドッグ、パグなどの短頭種が受け口な場合、異常だと思いますか? ※ 受け口 = 下の前歯が上の前歯より前に出ている状態 下の写真の様に上の前歯が下の前歯に少し覆いかぶさる様になっているのが正常で...