犬 両側下顎骨骨折

骨折
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7歳6か月 ヨークシャーテリア 未去勢雄 2.6kg

主訴

自宅のソファーから飛び降りたときに着地に失敗してしまったのか、急に口元を痛そうにしていたため、かかりつけの病院を受診。

そちらで顎の骨折を指摘され、当院をご紹介いただき来院されました。

まず外貌から下顎がズレており骨折が強く疑われる状況でした。

所見

鎮静下で顎を触診したところ、かなりの動揺が確認されました。

歯科レントゲンにて両顎の骨折を確認しました。

左側
右側
治療

まず、歯周病治療として重度歯周病に罹患していた歯を抜歯しました。

下顎骨骨折の治療のために、動揺するほどの歯周病でない歯はできる限り固定源として残しました。

クリックするとモザイクが外れます☝

左側
右側

骨内ワイヤーで骨折端を並置させ固定を図った後、スプリントレジンを作成し固定しました。

両側のレジンを正中で連結固定しました。

一部固定力の弱い左側は骨折端より吻側が1か所、尾側に2か所を3-0エチロンの糸で補強しました。

経過

固定が安定する2週間は鼻に設置したカテーテルから流動食やお水を与えていただき、自宅ではエリザベスカラーを付けて安静に過ごしました。

以降、骨折部位の安定を確認した上でドライフードを一粒ずつ食べさせながら、口を使っての食事に切り替えています。

手術から2か月半後、全身麻酔をかけてレジンスプリントと骨内ワイヤーを抜去しました。

左側
右側

骨内ワイヤーの一部は下顎骨内に入り込んでいるため抜去できず残しています。

左側
右側


さらに、骨折治療のために残していた歯周病の歯は全て抜歯しました。

骨折していた両側下顎骨は完全に癒合しており治療終了としました。

顎が左右にズレる事もなく咬合も正常になり、見た目も良好です。

ご飯食べる事も問題なく食欲が旺盛な様子を見て飼い主さまも喜んでいらっしゃいました。

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