鼻腔内腺癌(鼻腺癌)

症例紹介・犬
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15歳1か月 トイプードル 未去勢雄 

主訴

・半年前からくしゃみをするようになり、1か月前から毎日鼻血が出るようになった。
・鼻も詰まり呼吸が少し苦しい。


上記の主訴と口腔内の歯の状況が悪いことから歯周病が悪化して鼻の方まで炎症を起こしている可能性が高いと他院よりご紹介いただきました。

検査・所見

全身麻酔をかけて検査したところ、左口蓋の腫れが認められました。(点線

底部の骨が触れず柔らかかった事から上顎骨は破壊されていると思われました。

鼻腔を歯科レントゲンで撮影したところ左上顎の犬歯から第三前臼歯までの範囲で鼻甲介(鼻の中にある軟骨様の骨)の破壊が認められました。

細径内視鏡で観察したところ、鼻腔の3/4程のスペースを埋めるような腫瘍が認められました。

針生検で細胞を確認した結果、鼻腺癌を疑うような所見が得られました。

確定診断のため、鼻孔からストロー生検を行いました。

診断

病理検査により鼻腔内腺癌と診断されました。

経過

鼻腺癌の治療の第一選択が放射線治療になるため、大学病院にご紹介しました。

放射線治療を4回行った後は鼻血も止まり、8か月経過している現在でも元気に過ごしています。

今後も引き続き再発や転移に注意が必要です。

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