犬の口蓋にできたリンパ腫

症例紹介・犬
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9歳 ミックス犬 去勢雄

主訴

当院で歯科治療を行い、定期検診時に口腔内に潰瘍が見られため検査することになりました。

所見

診察時歯磨きを行うと出血がみられ、左上顎口蓋粘膜に潰瘍を確認しました。

鎮静下で採材し検査することとなりました。

犬 口蓋リンパ腫
検査・治療

病理検査の結果リンパ腫疑いと診断されました。

飼い主様と相談し全身麻酔下で切除することになりました。

犬 口蓋リンパ腫 病理

腫瘍の側方マージンは0.5㎝確保し切除しました。

マージンに左上顎第四前臼歯(奥歯)の歯茎が含まれるためこの歯は抜歯しました。
底部の上顎骨や口蓋骨は、破壊が認められなかった為、切除していませんが、念のため表面を切削しています。

しかし、潰瘍病変辺縁で頬側かつ吻側辺りに位置する底部の上顎骨にはおそらく以前抜歯した第一後臼歯(奥歯)の口蓋根の抜歯窩と思われる部分に骨の欠損部が認められたため、周囲の骨1㎜を含め切除しマージンとしました。

犬 口蓋リンパ腫 切除


切除部分は軸状粘膜フラップ法にて閉鎖しました。
フラップに左下顎第一後臼歯(奥歯)の先端が当たる事からこの歯も抜歯しています。

犬 口蓋リンパ腫 治療後
経過

術後切除部位を病理検査に提出した結果リンパ腫と診断されました。

犬 口蓋リンパ腫 病理

術後2週間の検診では、術創の離開も無く頬粘膜の上皮化も順調に経過していました。
リンパ節の腫れは認められませんでした。

犬の口蓋にできたリンパ腫

術後は食欲もしっかりあり、口を気にする様子も見られませんでした。

今後は放射線治療も視野に入れ経過を見ていくこととなっています。

お口の中にできる腫瘍についてはこちらを参考にしてください。

悪性腫瘍は早期発見が大切です。

犬のお口の中に潰瘍を発見した場合は早めに受診しましょう💡

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