9歳１か月 去勢雄 MIX犬 12.5㎏
主訴
歯茎が腫れたということで他院からご紹介いただき来院されました。
所見・検査
見た目では左犬歯の歯茎から口唇まで広がるように腫瘍が存在していました。
触診するととても硬く下顎骨が腫れていました。
また、全体的に歯石もついていたため、一度麻酔をかけて歯周病治療を行うのと同時に組織の一部を採取して病理検査に提出しました。
病理検査の結果、扁平上皮癌と診断されました。
また、麻酔をかけた際に歯科レントゲン検査を行い腫瘍の広がりを確認しています。
結果としては腫瘍は左下顎犬歯の歯根を中心に下顎骨まで浸潤している所見が得られました。
上記の所見より、扁平上皮癌は局所の浸潤が強い腫瘍である事から口腔内に形成された腫瘍と一緒に下顎骨を切除する必要があり、病変より約１cmほど正常な組織を含め切除する事が適切と思われました。
治療
腫瘍は犬歯の歯茎よりもさらに口唇の方に浸潤していたため顎の皮膚と一緒に切除しました。
病理検査結果は扁平上皮癌で完全切除という結果でしたので予後は良好と考えられます
経過
退院後は小さい粒だと食べにくいとのことでウェットフードを食べていました。
食べる時間も今までに比べ時間はかかりますが、5か月後にはドライフードも上手に食べることができるようになりました。
術後は定期検診を行いましたが、１年以上経過する現在も再発や転移は認めません。
経過良好の為検診を終了しています。
