余命はどのくらい?犬のメラノーマ⑥

症例紹介・犬
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14歳 シーズー 雌

主訴
・ご飯を食べるときに頭を傾ける
・口の中にできものがある
・くしゃみが出る

上記の主訴により来院されました。

所見

診察時に上顎の尾側に口腔内腫瘍を確認できました。

飼い主さまの了承を得て全身麻酔をかけて採材し病理検査に提出することになりました。

検査

全身麻酔下にて歯のクリーニングと腫瘍の採材を行いました。

・腫瘍は右上顎第四前臼歯(奥歯)が原発と思われる
・腫瘍の広がりはそれほどない。
・レントゲン検査でも骨の吸収は認められない
・背側は右側上顎犬歯から後ろに第二後臼歯(奥歯)まで切除が必要と思われる
・口蓋側は第四前臼歯から正中近くまで切除が必要と思われる

上記のマージン設定は1cm程度なので、悪性腫瘍だった場合は再発してしまう可能性があり、補助療法として抗がん剤治療が必要と考えられます。

採材した組織を病理検査に提出した結果、メラノーマ(悪性黒色腫)と診断されました。

メラノーマ 病理検査

メラノーマについて詳しい解説はこちら

治療

背側は頬粘膜1.2㎝程度、吻側、尾側、口蓋側1.5㎝のマージンを確保して腫瘍を切除しました。

頬骨弓、眼窩下孔も含めマージンを確保したため、眼窩下動脈、大口蓋動脈、小口蓋動脈は基部でバイポーラで処理しています。

下顎のフラップを口唇に沿って切開し、吻側に移動させて縫合しました。

覚醒後は鼻にカテーテルを設置しています。

経過

術後1日目は鼻のカテーテルからハイエナジーリキットを与えています。

術後2週間で元気も戻り食欲もしっかりあり、ドライフードも食べられるようになりました。

術部の腫れも引き抗がん剤(カルボプラチン)をスタートしました。

順調に抗がん剤がスタートしましたが3回目の投与後の再発チェックで、右の扁桃腺が腫瘍化していることが確認されました。

飼い主様は切除を希望されたので、右扁桃腺と右下顎リンパ節を切除しました。

その後順調に抗がん剤治療は進んでいき、手術から5か月後の検査でも再発兆候は見られませんでしたが、抗がん剤が7回目を終えたあと肺の転移病巣が1か所発見されました。

飼い主様と相談し抗がん剤治療を継続することとし、再発から2か月半対処療法を行い寿命を全うしました。

外科手術や抗がん剤治療などを行わない場合、メラノーマ(悪性黒色腫)の余命は2ヶ月程度と言われています。

発生部位にもよりますが、外科手術や抗がん剤治療を行うことにより余命を伸ばせる可能性もあります。

日頃から口腔内をチェックし、できものや異常があれば早めに受診しましょう!

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