棘細胞性エナメル上皮腫②

症例紹介・犬
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犬 ミックス 3歳10か月 去勢雄  6㎏

主訴

1週間ほど前から歯ぐきが腫れているということで来院されました。

所見

犬歯の後ろの歯肉が腫れて表面の一部は潰瘍になっており、口蓋粘膜に浸潤している様子が認められました。

右上顎第一前臼歯は腫瘍に押されるように尾側に変位していました。

検査

〇病理検査で棘細胞性エナメル上皮腫と診断されました。

〇CT検査では上顎骨の骨融解所見があり、鼻腔内への浸潤はなく、リンパ節の腫れも認められませんでした。

〇歯科レントゲン検査ではCT検査結果とほぼ同様の所見が得られ、右上顎第一前臼歯を中心に腫瘍による上顎骨の吸収が認められました。

治療

CT検査と歯科レントゲン検査で病変の広がりを確認した上で、手術を行いました。
この時、歯周病も併発していました。

全身麻酔下で歯石除去および抜歯処置を行った後、上顎骨の部分切除を一回の麻酔処置で行いました。

近心、遠心は歯一本分、それ以外の場所は5mmのマージンを確保して切除しました。

右下顎犬歯が上顎の手術部位に当たらないか確認してから覚醒しています。

経過

半年後の検診

経過は良好で、再発は確認されなかった為治療終了とさせていただきました。
7年経った現在も再発はありません。

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