扁平上皮癌とは?
皮膚の表面や粘膜には、扁平上皮細胞という細胞が存在しており、皮膚の一番表面にある魚の鱗のような薄く平らな細胞です。
この細胞ががん化し、扁平上皮癌となります。
耳や鼻など皮膚全般、口腔内、爪の周囲に多く発生し、浸潤性が極めて高く、予後が悪い腫瘍になります。
犬と異なるのは、猫ちゃんで口の中に“できもの”ができた場合、その7〜8割が扁平上皮癌と言われる悪性腫瘍だという事です。
症状
症状は発生部位によって異なります。
・カリフラワーのような赤みのあるしこり
・よだれが増えたり、口からの出血がみられる
・潰瘍や硬くなったしこり
・鼻腔に発生した場合は、出血、鼻汁、顔の変形などが見られる
かかりやすい品種
犬ではダルメシアン 、ビーグル 、ウィペット 、ホワイト・イングリッシュ・ブルテリアです。
猫では品種はあまり影響しませんが、腫瘍発生部位として4番目に多く、全腫瘍の3%を占めます。
何らかの環境因子が関与しているのかもしれませんが、多くの場合は原因不明です。
治療方法
治療方法は外科手術、抗がん剤などの化学療法、放射線治療から選択されます。
治療は、局所の外科手術がもっとも重要となります。
早期に発見できれば、重症化を防ぐことができ、治療方法の選択肢が広がります。
予後
口腔内扁平上皮癌に対する様々な治療を併用しても、1年生存率は10%以下。
生存期間中央値は3ヵ月もしくはそれ以下であったと報告されています。(歯肉、口蓋、咽頭、舌を全て含む)
これは他の腫瘍にも犬にも言えることですが、口腔内腫瘍はできた部位と腫瘍の大きさが重要!
喉の奥にできた腫瘍より顎の先端にできた腫瘍の方が切除しやすいため予後が良い。
上顎よりも下顎にできた腫瘍の方が予後が良いという事になります。
また、腫瘍が小さいうちなら完全に取り切る事、つまり完治も望めます。
日ごろから、皮膚、口の中のチェックが大切です💡