危険!落下事故による顎骨骨折

症例紹介・犬
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15歳 チワワ 避妊雌

主訴
・口の中で出血がある
・ご飯を食べると痛そうにしている
・頭を傾けている

カートから落下してしまい、上記の症状があり来院されました。

所見

歯科レントゲンを撮影したところ右下顎第一後臼歯(奥歯)の近心根で歯周病が進行している部分の顎骨が骨折していました。

犬 骨折 レントゲン
治療

全身麻酔下で口腔内をチェックしたところ全体的に歯周病が進行しており重度のため、両側下顎の第二前臼歯以外すべての歯を抜歯しました。

犬 骨折
犬 骨折
犬 骨折
犬 骨折

中には歯槽骨はほとんど上皮化しており抜歯をしても出血しない状況があり、口腔鼻腔廔になっている部分も認められました。

犬骨折 レントゲン 

顎骨骨折の部位も抜歯をして固定器具を装着しています。(後日抜去予定)

術後はエリザベスカラーと口輪の装着をお願いしています。

経過

2週間後の検診では鎮静下でレントゲンを撮影したところ骨折部位の骨増生が認められ経過良好です。

1か月後の検診では口を気にする様子も消失しました。

鎮静下でのレントゲンでは動揺が少しある程度で経過は問題なしと思われます。

1か月半後には炎症もなく顎の動揺も消失したため固定器具を抜去しました。

骨折 治療後
骨折 治療後

抜去後の検診も問題ないため治療終了となりました。

歯周病を罹患していると顎の骨がもろくなり、落下などでけがをした際に顎を骨折してしまう危険があります。

歯周病が重度の場合、落下などの衝撃がなくても顎の骨が骨折してしまう場合もあります。

犬の歯周病についてはこちらをご参考ください。

今まで歯磨きの習慣がないからといいてする意味がないわけではありません。

歯磨きをしていない場合は今からでも歯磨きを始めましょう💡

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