犬 ミックス 10歳 雄
主訴
歯磨き、歯磨きシートは頻繁に行っているが、歯肉が退行してきたこと、動揺が見られたため来院されました。
所見
特に上顎の右側の切歯(前歯)は重度の歯周病と思われます。
その他の歯は問題ないように思えますが麻酔下でレントゲン検査などをしっかり行った上で判断することになりました。

治療
全身麻酔下で歯科レントゲン検査を行い、歯の状況を確認し手術を行いました。
両側下顎の第一後臼歯(奥歯)は近心、遠心ともに歯周病が進行していいたため、温存するためにその両側の第四前臼歯(奥歯)と第二後臼歯(奥歯)を抜歯しました。
両側の上顎犬歯は歯周ポケットが深くなっていましたが、鼻腔まで到達していないことが確認できたので再生治療を行いました。




両側の犬歯ともに軟組織を除去して、骨を露出させた状態でエムドゲインとβ-TCP(骨補填剤)を用いて充填させました。


9か月後に鎮静下にてレントゲンを撮影し、再生治療の経過を確認します。
手術日の飼い主様のお話ではくしゃみがでるとの事でしたが、重度の歯周病になっていた右上顎第二切歯(前歯)、第三切歯(前歯)を抜歯をしたことにより治まると思われます。
経過
1か月後の検診では再生治療をした両側犬歯の歯肉炎症も見られず経過は良好で、自宅での歯磨きを継続しているとのことです。
切歯(前歯)を抜歯したことによりくしゃみも出なくなったそうです。



9か月後の検診時、犬歯の歯周ポケットは浅くなっており、経過良好です。
歯磨きも裏側を磨くのは大変ですが、毎日頑張れているとのことです。
再生治療をした歯を綺麗に保っていくには毎日の歯磨きが必要になります。
歯磨きのやり方はこちらを参考にしてください💡






