犬 トイプードル 11歳 オス
主訴
口臭や歯のぐらつきがあり、ご飯が食べづらいという主訴で来院されました。
所見
診察時に残っている歯はそれほど多くありませんが、歯石はかなり蓄積している状況です。
歯周病はかなり進行していると考えられます。

治療
全身麻酔下にてレントゲンを撮影し歯の状況を確認しました。


左下顎の犬歯は歯周ポケットも深く、再生治療を行わないと残せないと判断しました。

左の下顎犬歯は舌側、頬側ともに切開したフラップを閉じるのが困難だったため、中央に切開を入れ、歯根によるように剥離しました。

骨をなるべく露出した状態で、β-TCPを混ぜたエムドゲインを最深部に注入し充填し、縫合しました。

☟こちらが使用したエムドゲインとβーTCP(骨補填剤)になります。

経過
1週間後の再診では、再生治療を行った部分の歯肉の炎症もなくて経過良好です。
診察時に歯磨きを行い出血も見られませんでしたが、自宅では2週間はガーゼでの歯磨きをお願いしています。
2年4か月後に鎮静下にてレントゲンを撮影しました。


歯磨きは継続して行って頂きましたが歯周病が進行し、ポケットの深さは6㎜程になっていました。
このままでは抜歯しなければならない状態が予想されたので、再度全身麻酔をかけて歯のクリーニングを行いました。
その後歯磨きを頑張ってもらい、ポケットも浅くなり経過良好です。
すべての歯に再生治療が適応できるわけではありません。
少しでも気になる症状があれば早めに受診しましょう!
歯周組織再生治療の適応についてはこちらをお読みください。






