重度歯周病

症例紹介・犬
Pocket

犬 チワワ 10歳 

主訴

食欲低下が歯が原因ではないかとの主訴で来院されました。

正面から見たところ下あごの左側のくちびるが下がっているように見えましたが、下あごの骨を触診した所明らかな腫大や動揺は認められませんでした。

口の中を観察すると歯石が重度にたまっており歯槽膿漏の状況がひどく認められたので、歯周病治療を行うため全身麻酔を提案しました。

手術

上顎犬歯では両側とも口腔鼻腔瘻になっていたので、今後の歯周病による感染症のリスクを考慮し全ての歯を抜歯しました。

歯科レントゲン検査ではほぼすべての歯で重度の骨吸収が起こり、歯周病の進行が認められました。

そして、下あごの前歯(切歯)の歯周病が重度に進行していたため、下あごの真ん中で骨が壊され右と左の骨が別々に動くような骨折(下顎間縫合離開)が認められました。

これにより、下あごの切歯の歯牙や歯肉が吻側に傾斜していたことが原因でくちびるの下垂が認められていたと考えられました。

歯周病治療と同時にワイヤーを使用し骨折の治療も行いました。

経過

2週間後の検診では食欲も元通りになり、経過良好でしたので治療終了となりました。

タイトルとURLをコピーしました