13歳 オス ヨークシャーテリア
主訴
4年前にかかりつけの病院で歯科治療を行ったが、半年前に奥の歯に穴が開いていることに気付いた。
穴の状態が悪化してきているため当院に来院されました。
所見
診察時に左下顎第一後臼歯(奥歯)に裂溝が見られました。
※裂溝…臼歯(奥歯)の咬合面、頬側面、舌側面等に見られる溝のこと

この歯は虫歯(う蝕)になっているため飼い主様と相談した結果、今後のリスクを回避したいとのことで抜歯することになりました。
治療
全身麻酔下にて歯科レントゲンを撮影し虫歯になっている歯を抜歯しました。
レントゲンでも歯に大きく穴が開いていることがわかります。


歯周病になっていて残せないと判断した歯も同時に抜歯しています。

経過
2週間後の検診では抜歯部位に問題なく経過良好でした。
今後は歯磨きを継続していただきたいので仰向け歯磨きの指導を行いました。
歯周病と同様で虫歯も歯磨きで予防できます。
仰向け歯磨きの仕方はこちらを参考にしてください。
その後、1ヵ月検診では歯磨きも良くできていて、歯磨きの際の出血や口臭も見られないので虫歯に対しての治療は終了となります。
犬の虫歯(う蝕)はとても珍しい症例ですが注意が必要です。
・歯に黒や茶色の変色した部分がある
・歯の一部が欠けている、穴が開いている
上記の症状は虫歯の可能性があるので病院の受診をお勧めします。
犬の虫歯について詳しい解説はこちらをお読みください💡