12歳6ヶ月 去勢雄 MIX猫
主訴
飼い主様が4ヶ月ほど前に顎が腫れていることに気付き、かかりつけで抗生剤を処方されて経過を見ていました。しかし徐々に腫れが大きくなってしまったため、当院に来院されました。
寝ているときのよだれが多いくらいで、口を気にすることもなく、ドライフードもしっかり食べて元気もありました。
所見
レントゲンで頭部を撮影したところ、右顎に1.5cm程度の骨の腫れが認められました。この時点で扁平上皮癌の疑いがあったため、後日組織を採材し、病理検査をしました。
治療


クリックするとモザイクが外れます☝
全身麻酔下にて右下顎の片側と左下顎の第一前臼歯近心根より吻側、下顎の約3/4を切除し、右下顎リンパ節2個を摘出しました。

下顎のほとんどが無くなってしまうため、自力での食事の経口摂取が難しいと判断し、最後に胃瘻チューブを設置し、手術終了としました。
検査結果
病理検査の結果は骨中心性扁平上皮癌と診断。
マージンは十分に取れていないが腫瘍のタイプから予後は問題ないと考えます。

経過
術後1年4ヶ月経過し、現在も再発はせず元気に過ごしています。
毛づくろいも可能であり、
指につけたチュールなどのおやつも自ら舐めることが可能です。
そして術後約2年経過し、口からの食事がだいぶ出来るようになったため胃瘻チューブを抜去しました。
現在も食欲旺盛で元気に過ごしています。
猫においては扁平上皮癌が最も多く発生し、口の中にできている腫瘍の場合には悪性腫瘍の可能性が非常に高いです。
日ごろからお口の中を観察するようにしましょう。
猫の口腔内腫瘍 はこちらから






