無麻酔歯石除去で逮捕

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獣医師以外が行う無麻酔歯石除去は違法?

2024年6月にこのような事件が発生しました。

獣医師でないのに犬の歯石を専用器具で除去したとして、京都府警は11日、ドッグカフェの女性経営者(51)を獣医師法違反の疑いで書類送検した。「犯罪行為だとわかっていた」と容疑を認めているという。府警によると、ペットの歯石除去を同法違反容疑で摘発するのは全国初とみられる。

獣医師の免許を持たずにスケーラー(歯石を除去する金属器具)を用いたペットの歯石除去は診療行為に該当し、無免許で行うことは違法行為に当たります。

これは以前から獣医師や農林水産省からも注意喚起されている事案です。

獣医師会
獣医師会

これまで無麻酔歯石除去の問題が取りざたされており、日本小動物歯科研究会でも、このようなテーマで弁護士を含めて開催されたシンポジウムにも参加し、無麻酔歯石除去の危険性などを啓発しています。

獣医師からなる小動物歯科研究会

農林水産省
農林水産省

飼育動物の診療の業務は、獣医師でなければできません。
スケーラーを用いる歯石除去は、獣医師の獣医学的判断及び技術をもって行う診療行為です。

農林水産省

無麻酔歯石除去の危険性

トリミングサロンやドックカフェ、イベント会場などで獣医師以外が歯石除去を行っている様子を見たことがある方もいると思います。

そういったところがネット上にあげているビフォーアフターの写真も表面上では歯石が除去され綺麗になっているように見えると思います。

しかし、実際は目に見える歯の表面部分だけでなく、目に見えない歯周ポケット内にも歯石はたくさん付着しています。

一見綺麗に見える写真も実は歯周ポケット内はしっかりと歯石の除去ができていなくて、歯周病はそのまま進行してしまいます。

正しい歯石除去

当院での歯石除去は全身麻酔下で、超音波スケーラーを用いて安全に確実に治療を行います。

歯石除去後は研磨剤を使用し歯の表面をきれいに磨き(ポリッシング)、歯垢や歯石が付着しずらい口内環境にする作業まで必ず行います。

もちろん麻酔下で行うのでわんちゃん猫ちゃんが痛い思いや怖い思いをすることがありません。

わんちゃん猫ちゃんの歯を守るためには見た目をきれいにするのではなく、動物病院で獣医師に全身麻酔をかけて歯周病治療をしてもらうことが大切です💡

当院の症例 犬のクリーニング 猫のクリーニング

※獣医師であっても無麻酔で歯石除去をすることはリスクが高いので注意していください。詳しくは以下のブログをご覧ください。

無麻酔歯石除去とは?①

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