乳歯が抜けないことを乳歯遺残(にゅうしいざん)といいます。
乳歯遺残(にゅうしいざん)
乳歯遺残とは 乳歯遺残とは生後7ヶ月を過ぎても乳歯が抜けずに残った状態をいいます。ただし、生え変わりの時期には個体差があるため、診断するためには切歯、犬歯、臼歯すべての歯の状況を見て、総合的に評価する必要があります。 乳歯遺残の中でも特にそ...
症例①6カ月 ミニチュアシュナウザー
乳歯が抜けず残ってしまった症例をご紹介します。
上顎と下顎の犬歯が遺残しているのがわかります。
(細くて長いのが乳歯で上顎では左側、下顎では手前が乳歯です)
両方とも抜けていなければいけない時期を過ぎています。
しかし、急いで乳歯を抜歯すれば正常な歯並びになると判断し、早急に乳歯を抜歯しました。
下の写真が乳歯抜歯をして2週間後です。
正常な位置に永久犬歯が移動しているのがわかると思います。
適切な時期に乳歯を抜けば、ほとんどの子で外科的な矯正(※)は必要ありません。
(※不正咬合が成立してしまった後に永久歯を正常な位置に移動させる方法)
乳歯が残っていると歯周病になりやすい?
乳歯が残っていても写真の様に不正咬合にならないケースもあります。
しかし、歯石が溜まり易くなるので早いうちに乳歯を抜いてあげる必要があります。
ちなみに、たくさん乳歯が残っていると1歳3か月(豆柴)でも下の写真の様に歯石が付着してしまいます。
当院では生後6カ月健診を行い、乳歯の状態を確認した上で乳歯抜歯の必要があるか、を判断させていただいています。
去勢/避妊手術を行う予定であれば一緒の日に行うと全身麻酔が1回で済みますのでワンちゃんの負担は少なくて済みます。
この時期になったら、お家の子の歯の生え替わりをぜひチェックしてみてください!