乏色素性メラノーマ(悪性黒色腫)

症例紹介・犬
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※閲覧注意(手術の写真が出てきますご了承の上お読みください)

11歳 トイプードル 避妊雌

主訴

歯磨きもできなくなるほど右の奥歯あたりを気にしていて、触られるのを嫌がるようになってしまったという主訴で来院されました。

所見

診察時、右上顎の奥に腫瘤が確認できました。

治療

腫瘍の疑いがあるため全身麻酔下で切除を行いました。

右頬の腫瘤

☝クリックするとモザイクが外れます

腫瘍はマージンを1㎝確保して切除しました。死腔が大きくなりそうなのでドレーンを設置しました。

※本来の生体構造にないはずの空間である死腔が形成されてしまうと、感染源となる浸出液、壊死組織がたまり、創傷治癒を妨げてしまいます。 

右側下顎リンパ節の腫大も確認できたので同時に切除しました。

ドレーン設置(赤丸)
切除したリンパ節(赤丸)

切除した腫瘍の針生検検査ではメラノーマが疑われました。

経過

切除部位の病理検査では乏色素性メラノーマ(悪性黒色腫)と診断されました。

乏色素性メラノーマ(悪性黒色腫) 病理

術後2日、鎮静下で圧迫包帯を外し口腔内を確認したところ経過は良好でした。

元気もあり、鼻のカテーテルから食事をとれています。

乏色素性メラノーマ(悪性黒色腫)
乏色素性メラノーマ(悪性黒色腫) 治療

術後10日で術創に問題なく、包帯と鼻のカテーテルは抜去しました。

食欲もあり自ら食事をとることができました。

1か月後の再診では、元気食欲もあり、肺転移も認められず経過良好です。

悪性黒色腫という名前から、黒色や茶色のメラニン色素が沈着していることが特徴ですが、メラニン欠乏性の乏色素性メラノーマ(悪性黒色腫)もあります。

色素が欠乏しているメラノーマは診断が困難な場合もあります。

口腔内メラノーマ(悪性黒色腫)の詳しい解説はこちらです💡

・口の臭いがきつくなった
・出血している
・ご飯が食べづらそう
・口を気にしている
・歯茎に腫瘍ができている

上記ような症状が見られた場合は早めに病院を受診しましょう!

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