6歳 ミニチュアダックスフンド 去勢雄
主訴
他院での歯科治療中に下顎骨を骨折してしまい、当院をご紹介いただき来院されました。
所見
左下顎第一後臼歯(奥歯)の近心根の部位で骨折が確認されました。
治療
全身麻酔下にて骨折の治療の支障になる歯は抜歯しました。


左下顎第一後臼歯(奥歯)と第四前臼歯の皮質骨にワイヤーを通して固定しました。


今回は骨折の治療を優先して行っているので、骨折が落ち着いた段階で歯周病治療を行う予定です。
経過
2週間後の検診の際にワイヤーが緩んでしまっていることが確認できたので、ワイヤーを3本に増やし、もう一度動揺しないよう、硬く締めなおしました。
骨折端は不安定でつながりにくいため顎間固定を行いました。


その後1週間の検診では顎の動揺は前回よりも少なくなり、再度ワイヤーを締め直して終了。
固定から2か月後、顎の動揺はほとんど見られない状況になり、固定器具を除去しました。

骨折治療から5か月後、顎の動揺は消失。歯科レントゲンでも骨折部の癒合が確認できました。
骨折が治癒したので全身麻酔下にて歯周病治療と骨内ワイヤーの抜去を行いました。
歯周病治療後の検診では元気食欲もあり、術部も経過良好であり骨折部位も問題ありませんでした。
半年後の骨折部位の検診では、ワイヤーを通していた穴も塞がり経過は良好です。
顎の骨が薄い小型犬や超小型犬では重度歯周病によって骨が壊されて骨折が起こります。
痛みでご飯を食べなくなってしまい早期に治療が必要です。
骨が脆弱なため骨折の治療はかなり困難なものとなり、重度の場合は顎の切断を選択する場合もあります。
歯周病の治療が早めに始められるようにお口の中の観察は心がけましょう!
他の骨折の症例についてはこちらを参考にしてください。







