主訴
飼い主様は他院で働いている動物看護士でしたので、歯周病に罹患していることは十分理解した上で全身麻酔をかけての歯周病治療を目的に来院されました。
歯磨きはしていましたが最近になって口臭が気になるという事が主訴でした。
所見
まず全身麻酔をかけて歯科レントゲンやポケットの深さを測るなどの歯周検査を行いました。
歯ぐきが赤く炎症を起こしている歯は乳歯で歯周病もあり、歯根で折れてグラついていました。(青丸)
その後ろの歯は歯ぐきもかなり後退し、レントゲン検査ではさらに後ろの歯の歯槽骨を広範囲に破壊するような歯周病が認められました。(赤丸)
歯周ポケットから膿がでている(歯槽膿漏)状態なのでここが口臭の原因と判断しました。
治療
飼い主様には折れた乳歯とその後ろの歯ぐきが消失している歯は管理ができないことから抜歯しか選択肢がない事をお伝えしました。
ただ、その後ろの歯は部分的な歯槽骨の破壊であり、歯を温存するために重要な歯ぐきがある事から歯槽骨の再生治療を提案したところ同意を得ました。
再生治療は下の写真のようにまず、歯周ポケット内の膿や肉芽組織など全て除去してしっかり歯根を綺麗にします。
経過
4か月後、鎮静下にて検診を行いました。
飼い主さまは自宅での歯磨きを頑張っているとのことです。
歯石の付着もほぼなく、歯ぐきの状態も健康的で状態は良好でした。
歯科レントゲン検査でも歯槽骨がしっかり再生しています。(赤丸)
歯槽骨が無くなった歯とは思えない程健康な歯に戻っていたため治療終了となりました。
どんな歯でも再生治療を行い歯を残せるわけではありません。
早期に治療を行えるようにお口の中の観察をしましょう。
再生治療についての詳しい説明はこちらをご参考にしてください。
費用などは当院に直接お問い合わせください。