パート1では歯ブラシの使い方など基本的な内容を書きましたが、こちらではより実践的に歯磨きに慣れさせる方法について説明したいと思います。
歯周病予防で大切なのは歯磨きを毎日の習慣にする事!
人と同じで歯磨きは毎日やらないと磨き残した歯垢が歯石になってしまい、歯ブラシでは除去できなくなってしまいます。犬の場合歯垢は2~3日で歯石になると言われています。
毎日の歯磨きがストレスでは続きませんので、わんちゃんも飼い主さまも無理なく続けられるように慣れさせることが近道になります。急がば回れの精神です。
ポイント1
歯磨き=嫌な事 はダメ!
・ 歯周病があって痛いのに歯磨き
歯茎が赤く腫れている状況で歯磨きをすると痛くて歯磨きが嫌いになってしまいます。
まずは歯周病治療を行ってから痛みのない状況で歯磨きを始めましょう。
・ 無理矢理抑えて歯磨き
犬の気持ちを考えてみてください。
歯磨きの重要性を理解していない犬は「歯ブラシ」という“変な物”を口の中に突っ込まれて嫌な気持ちになっているかもしれません。
この状況ではいくら飼い主さまが頑張っても慣れさせてやらせてくれるようになるのは難しいと思います。
いきなり歯ブラシからスタートするのではなく、できる事から少しずつ慣れさせる事が肝心です。
・ 叱ってばっかりの歯磨き
怒ってばかりの状況には2つの問題が考えられます。
1つ目はハードルの高い事を無理にやろうとしている。
この状況であればもっと簡単なことから始めて、できたことを褒めるようにしましょう。
そうすると少しずつ慣れてきます。何事もホップ・ステップ・ジャンプです!
2つ目は飼い主さまの歯ブラシの使い方が悪い、身体の抑え方が悪い、コミュニケーション不足などが考えられます。
歯磨きの仕方の見直しが必要です。
ポイント2
歯磨き=うれしい事!
そんなの理想であって現実は無理だよ…という飼い主さまも多いと思います。当然そうだと思いますが、目標は高く頑張ってみてください。
- 磨きの姿勢になったら褒める!
歯磨きを落ち着いてするためには姿勢が何よりも大切!まずはその状態でおとなしくしていられるように練習しましょう。
- おやつが好きなら大好物を用意する
歯磨きをした後には必ず好きなおやつを用意しましょう。
犬に多い歯周病は食べカスが溜まって起こるのではなく、口の中にいる細菌が溜まって炎症を起こす事から始まります。
1日1回その溜まった細菌が除去できればいいので食事とは関係ありません。
それでも気になる飼い主さまは最初に歯磨きが慣れてきたら徐々にご褒美を抜いていけば良いと思います。
- 肩肘張らずリラックス
飼い主さまがヨシッと意気込みが強いと犬も身構えてしまいます。可能な限りリラックスして自然体で歯磨きができるように意識してください。
- コミュニケーションを取る
1日1回の歯磨きをコミュニケーションの時間にできたら最高ですね。最初は大変ですが、中には歯ブラシを持つと近寄ってくる犬もいます。犬には言葉が伝わりません。できた事を大袈裟に褒めてご褒美をあげる事で徐々に慣れさせる事ができます。
ポイント3
無麻酔の歯石除去はNG!
麻酔をかけないで歯石を除去するデメリットの1つに、犬が恐怖などのストレスを感じてお口を触ることにトラウマを抱える事です。
今まで歯磨きができていたのに口を触ると怒るようになって全く歯磨きができなくなってしまったという話しも聞きます。
押さえつけてやられた、もしくは大人しくしているけど初対面だったから処置の間ずっと我慢してストレスを感じていた…などの状況が起こりうることを飼い主さまは考えなければいけません。
まとめ
冒頭でもお話ししましたが、歯磨きに慣れさせて毎日続ける事が大切です。
もし痛みがあって歯磨きを嫌がるのであれば、痛みを取り除いてから慣らしていきましょう。
また、できたことに対しては大袈裟なくらいに褒めてあげましょう!
歯磨きを良い印象に変えて愛犬の健康を保っていきましょう!