ミックス猫 ２歳11か月
主訴
１か月前頃に右下顎の口唇粘膜に白いできものができ、かかりつけの病院を受診されました。
その際に抗生剤と消炎剤を処方されて治療していましたが、改善が見られなかったので当院をご紹介いただき来院されました。
所見
当院の診察でも水疱状の口唇粘膜の異常を確認しました。
しかし、それ以外に、下顎の右側第一切歯（前歯）と第二切歯（前歯）の隙間が認められ、歯冠の高さにギャップが認められました。（青い線で囲まれた部分）
触診してみると右と左の顎両方にぐらつきが確認されました。
また、歯科レントゲン検査でも下顎骨の離開があり、下顎骨骨折と診断しました。
治療
全身麻酔下で下顎骨の骨折治療を行いました。
サークラージワイヤー（外科用軟性ワイヤー）を用いて、左右の下顎骨を締結固定しました。
さらに、骨折線に接する２本の切歯が動揺していたため残せないと判断し抜歯しました。
このまま数週間骨を固定し、しっかりと時間をおいて経過を見ることとなります。
経過
３週間後の再診時、歯科レントゲンの様子です。
３週間という十分な固定期間を置き、固定していたワイヤーを除去しました。
左右の下顎骨のぐらつきは診察時に比べて明らかに減少していました。
経過に問題がないので今回の骨折の治療を終了しました。
当院では顎骨の骨折治療を多く行っています。
犬の顎骨骨折治療はこちらをご参考ください。
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