基礎編では成犬の歯磨きの難しさについてお話しました。
ここでお話する内容はあくまでも当院で実践しているやり方であって必ずしもどの犬にも飼い主さまにも最適な方法とは限りませんのでご了承ください。
ただ、しっかり取り組んでいただければきっとできるようになります。
そう信じて頑張ってみてください。
歯磨きの姿勢は?
子供と同じ仰向けの姿勢で行う寝かせ磨きがおすすめですが、それぞれメリット、デメリットがありますので磨きやすい姿勢を探してみてください。
仰向け
上からのぞき込むため奥の方の歯も見えやすく、膝の間に入れて身体を固定しやすい、歯の裏側を磨く際にも口を開けやすいメリットがあります。
犬の身体を足先の方に移動させ、頭を飼い主さまの身体に寄せれば固定しやすいです。また、一人でも行いやすいやり方です。
仰向けが慣れていない場合はトレーニングから始める必要があります。
老犬や、首・背中に疾患を抱えている子は柔らかいマットをひくなど配慮しましょう。
無理にやらないように注意が必要になります。
向かい合って
後ずさりしなければ正面から歯磨きも可能です。
しかし、頭や身体が動いてしまうのであれば2人がかりで歯磨きをしなければいけません。
1人でやるポイントはオスワリ、マテを強化する事です。
その後、口回りを触らせることに慣れさせてから頑張りましょう。
外側を磨くのはやりやすいですが、裏側を磨くのには犬の協力が必要となります。
太ももに寝そべらせて(横に寝かせながら)
片側ずつしか磨けないデメリットがありますが、自然な姿勢で磨いてみるのもいいかもしれません。
ただ、せっかくのリラックスしている所を邪魔されたら気分は良くないので無理矢理やるのではなく唇を開く事や歯ブラシを当てる事に徐々に慣れさせてあげてください。
裏側はかなり磨きにくい事がデメリットとなります。
歯磨きのポイント
頭を固定する
頭を固定しながら磨くことで力が入りすぎたり、動かしすぎたりすることなく丁寧に磨くことができるようになります。
口を閉じて磨く
頭を固定し、口を閉じて磨く事で歯ブラシを目的の場所に当てて磨くことができます。
閉じた状態では磨けない下あごの臼歯や歯の裏側は口を開けて磨くようにしましょう。
見ながら磨く
歯ブラシがどこに当たっているのか直接見ながら歯ブラシを動かすようにしましょう。
「磨いている」と「磨けている」は違います、注意しましょう。
少しずつでもいいので小さな刺激から慣らしてもらい、歯磨きで歯周病を予防していきましょう!