無麻酔歯石除去の実際②

無麻酔歯石除去
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無麻酔歯石除去①からお読みください。

無麻酔歯石除去とは?①
これはあくまでも動物の歯科医療の理想を追求している者の個人的な見解になります。ご了承の上お読みください。ご覧になっている方も僕も犬猫が大好きでより良い生活をさせてあげたいという気持ちは一緒だからこそ無麻酔歯石除去について考...

実際の様子

インターネットで「無麻酔 歯石除去 犬」と調べてみていただくと沢山の動画が出てきます。

以下、検索結果↓

無麻酔 歯石除去 犬 – Google 検索

実際に行っている様子はこちらで確認できますので皆さんも是非動画を見てください。

この記事では動画を見て感じた不安な点について書いてあります。

不安に感じた点① ~扱う器具~

 検索した沢山の動画を見させていただいた事で、無麻酔の歯石除去の現状が垣間見えます。

なかには、マイナスドライバーを使用して歯石を取っているいる動画などもあり驚きました。

歯石を除去する際の大前提としてエナメル質をなるべく傷つけずに除去する事です。

もし、必要以上に傷つけるような状況を続けた場合には無数の傷が付き深くなりどんどん歯がボロボロになってしまいます。

  • 鉗子を使って歯石を取る

 歯の表面に鉗子をかけて歯石を引っ掻ける行為は人の歯科医療では一切行っていません。

 当然エナメル質を傷つけますし、最悪歯が欠ける可能性があるためです。

  • ハンドスケーラーの使い方が間違っている

おそらく、使用しているのはグレイシーキュレットと言われるスケーラーだと思われます。

歯に当てる場所や角度が適切とは言えない状況での使用が見受けられます。

当てる角度を間違えると、表面のエナメル質を削ってしまい歯を傷つけてしまいます。

器具の効果を最大限に活かし、危険を回避するため適切な使用方法が推奨されます。

  • 犬の口と施術者の距離が離れていてしっかり見える明るさが無い

歯科医院での処置を思い浮かべてみてください。

オペレーティングライトを使用しながら明るい状態で歯科医師や歯科衛生士の目の近くで作業します。

さらに拡大鏡やマイクロスコープというものを使って細かい歯石まで取り除く事もあります。

部屋の明るさで膝の間に挟んで行う状況ではポケットの中の歯石は取れません。

それどころか歯の表面の歯石もちゃんとは取り除くことはできません。

不安に感じた点② ~ワンちゃんの様子~

  • 出血を伴っている

処置に出血が伴う事はリスクでしかないと考えられます。

出血はスケーラーが歯肉に当たって起こっている事を示します。

つまり、歯肉を傷つけている or/and 歯肉が炎症を起こして出血しやすいような状況になっているにも関わらずそのまま処置を続けるという事は問題となります。出血したらすぐに処置を中止し、獣医さんの診察を受けなければいけません。

歯肉を傷つけることで感染症のリスクが高まり歯周病が悪化する可能性があります。

  • 10分以上もパウンティングをしながら仰向けで処置を行っている

犬がパウンティング(ハアハアと呼吸をしている)状況は異常と言えます。

長時間処置を行う事により精神的、呼吸器や循環器に大きな負担がかかる可能性があります。

これはリラックスとは正反対の状況と言えます。

  • 嫌がってもごまかしながらずっと続ける

犬が嫌がっているのをなだめながら行っている事は行為を強要している事になります。

これでは犬の精神的な負担があると言わざるを得ません。

ネットに上がっている動画の中では逃げまわったり、固まってしまっているワンちゃんもいて

口を触られることにトラウマを抱えてしまう可能性もあります。

無麻酔歯石除去③へつづく

無麻酔歯石除去のリスク③
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